40歳を過ぎたらC型肝炎ウイルス検査
ウイルス性肝炎、とくにC型肝炎ウイルス(HCV)の感染者が日本には100万〜200万人もいると考えられています。
C型ウイルス肝炎は、ウイルスに感染しても症状が軽かったり、無症状な場合も多く、感染していることに気づかない人がほとんどです。しかし、慢性肝炎からさらに肝硬変、肝がんへと進行することもあるので、放っておくと非常に危険です。

わが国としてもC型肝炎の問題を重視しており、その対策に力を入れています。
その一環として、2002年4月より、40歳以上の人に対して5歳ごとの節目にC型肝炎ウイルス検査が、住民検診で受けられるようになりました。




ウイルス性肝炎とは
●肝炎とウイルス
肝炎を引き起こす原因はいくつかありますが、そのほとんどがウイルス(肝炎ウイルス)によるものとされています。
肝炎ウイルスとしては、現在、A型、B型、C型、D型、E型が確認されており、わが国の感染者のほとんどがB型とC型です。
このうちB型肝炎は減少傾向にありますが、逆にC型肝炎の感染者が目立ってきました。

●ウイルスの感染と症状
肝炎ウイルスの感染経路は型によって異なりますが、C型肝炎ウイルスは血液を媒介にして感染します。ウイルスにおかされていない人の血液に、ウイルス感染している血液が入り込むことで感染します。
肝炎ウイルスが体内に入る(汚染)と肝臓で増殖(感染)し、潜伏期間(2〜12週間)を経て「全身の倦怠感」「食欲不振」「悪心・嘔吐」などの症状が現われます(発症)。さらに、眼球の白眼や皮膚が黄色くなる(黄疸)が出現する場合もあります。これらの症状が発現したのが「急性肝炎」です。
C型肝炎の場合、この急性肝炎の症状が他の型のウイルスによるものよりも軽く、またまったく症状が出ないこと(不顕性感染)も多いのです。このため、「キャリア化」する場合が多く、「慢性肝炎」にもなりやすいとされており、感染した人の約70%が慢性化するといわれています。
肝炎がひどくなると、肝硬変や肝がんへと進行することもあります。

●C型ウイルス感染の現状
わが国では、C型肝炎ウイルスのキャリアは若い人に少なく、40歳以上に多く見られます。キャリアのうち20〜30%は過去に輸血を受けたことがある人たちで、他の人たちはいつどこで感染したかわからない場合がほとんどです。
現在では献血された血液のすべてについてC型肝炎ウイルスの検査が行われており、輸血による感染の危険性はほとんどなくなりました。
また、普通に生活しているぶんには感染することはごくまれだということがわかっています。C型肝炎ウイルスのキャリアである母親が出産し母乳で育てた場合でも、感染率は2〜3%といわれており、さらに家族間や夫婦間での感染もほとんどないことがわかっています。

●C型ウイルス肝炎の特長
C型ウイルス肝炎の特長としては、以下の点が上げられます。

40歳以上に多い
感染経路:輸血、手術、注射、刺青、鍼、覚せい剤など
感染時期がわからない
無症候性キャリアが多い
慢性肝炎に移行するケースが多い



C型肝炎ウイルスの検査
●なぜ検査が必要なの?
肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれており、ダメージを受けてもなかなか自覚症状がなく、症状が現われたときには病気がかなり進んでいることが多いのです。
また、C型肝炎も自覚症状がないまま慢性化することが多く、これまでも検診を受けて初めてわかるというケースが顕著であったため、できるだけ早いうちに検査を受けることが望ましいのです。

●検査の方法と結果
C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査によって調べます。
検査は血液中にHCV抗体があるかどうかを調べる「HCV抗体検査」と、HCVの遺伝子を調べる「HCV-RNA検査」を併用して行います。
ウイルスが身体に入ると、ウイルスと戦うための抗体が体内につくられます。HCV抗体があるといういことはウイルスがいることを示しています。また、抗体はウイルスがいなくなった後もつくり続けられます。つまり、検査で陽性反応(抗体がある)を示した場合、「ウイルスがいる状態(感染状態)」と「排除された状態(感染既往)」があるわけです。感染既往の場合は体内にウイルスがすでにいなくなっているので、C型肝炎の心配はありません。



検査を受ける方へ
●検査はどこで受けられる?
C型肝炎の検査は、ほとんどの病院や診療所で受けることができます。
2002年4月からは、40歳以上の人に対して住民検診などでもC型肝炎の検査を受けることができるようになっています。
詳しくは、かかりつけの医師やお住まいの市区町村の保健窓口等にお尋ねください。